背筋の伸びる歌

ふとした話題から、バイト先の友だちが、小谷美紗子好きだということがわかり、CDをいっぱい貸してもらったことがきっかけで、小谷美紗子を聴き直しています。

「こんな風にして終わるもの」という、胸がちくちくするようなこの歌を、20歳くらいのときにずーっと聴いてた。思い出の曲。
この初期の頃のアルバムはいくつか聴き込んでいて、ずっと聴いてなかったのにいまでも歌えるくらいで、非常に非常に懐かしい...!

友だちはずっと追っていてライブも行ったりしているらしく、CDを全部もっているそうで、比較的最近のアルバムも聴かせてもらいました。

 

私がめちゃくちゃ聴いていた頃は、ネットもそんなに発達していなかったし、小谷美紗子という人についての情報をほとんど持っていなくて。本人についての知識がまったくない分、歌をストレートに受け止めて、その力強さや姿勢の良さ、ときに過剰なくらいの正義感や潔癖さ、みたいなものを、頭からかぶるみたいにして浴びて向き合った、そんな思い出のアーティストなのです。

久しぶりに聴いた小谷美紗子は、やっぱり聴いているこちらの背筋が伸びるようなまっすぐさでした。

それにしてもちょっと青すぎやしないかな...と当時も思ってたいくつかの作品は、中学生(!)や高校生のときに書いたものだったらしく、いまになってそんな情報を得て、腑に落ちたというか、20年ぶりの答え合わせみたいな感じ。

情報がなかったっていっても、その気があれば深堀りできたのかもしれないけれど、別に本人にはあまり興味がわいていなかったというか。(今回、改めて、本人のSNSなどもあることを知ったのですが、不思議なことに、やっぱり、本人についての興味は私のなかでは後回しなのです。動いてる、歌ってる映像も最近はじめてYouTubeで見た)

とにかく曲を聴きたい!曲を聴かせて!と思ってたし、ふたたび思うようになりました。

最近の曲は、青臭さがとれて、こなれているというか、円熟味が増してる感じですね。でも、相変わらず、筋が一本貫かれていて、潔くてかっこいい。

派手さはなくて、ヒットチャートには現れてこないような作品なんだけど、実直で堅実な、こんな歌たちが存在してくれているということが、昔聴いていたときもすごくうれしくて励まされて、私の力になってくれていた。

メッセージ性のつよい歌たちだと思うけど、優しく寄り添ってくれるようなものも多くて、光の当たらない、弱い人たちへの視線が本当に行き届いている。小谷美紗子という人の本質なのだと思う。出会い直せて嬉しいです。

 

やっぱりピアノが上手な人に惹かれてしまうなぁ( *´艸`)