花を飾ると、神舞い降りる

著者の須王さんは、パリの花屋で働いているときにお花に宿る妖精を視てから、花だけでなくあらゆる自然のなかに妖精が視えるようになったそう。花を連れて帰ることは、すなわち妖精を連れて帰ることで、自分の気持ちに素直でいると、妖精がサポートしてくれ…

ピアノ・レッスン

ピアノ・レッスン (新潮クレスト・ブックス) [ アリス・マンロー ] アリス・マンローの本を初めて読みました。 素晴らしい小説を読むと、その本について語りたい半面、自分の語彙力ではどんな言葉でも言い表せない虚しさで、言葉を紡ぐ気力すらなくしてし…

大人になって読む『きらきらひかる』

きらきらひかる (新潮文庫) きらきらひかる (新潮文庫)の他のレビューをみる» 江國 香織 新潮社 江國香織『きらきらひかる』は、高校生の私にとって、お酒を飲むように、ちょっと背伸びして読む大人の小説だった。 夫婦の話を読む、というだけでもじゅうぶん…

久々の舞城王太郎

私はあなたの瞳の林檎 私はあなたの瞳の林檎の他のレビューをみる» 舞城 王太郎 講談社 久しぶりに舞城王太郎氏。デビュー作からずっと大好きだけど、いくつになっても新作を見つけるとワクワクします♡ 『短篇五芒星』くらいから、粗かった部分がそぎ落とさ…

くるわ。また。何度でも。

100万分の1回のねこ (講談社文庫) 100万分の1回のねこ (講談社...の他のレビューをみる» 江國 香織,岩瀬 成子,くどう なおこ,井上 荒野,角田 光代,町田 康,今江 祥智,唯野 未歩子,山田 詠美,綿矢 りさ,川上 弘美,広瀬 弦,谷川 俊太郎 講談社 図書館ですてき…

記憶の小瓶

記憶の小瓶 記憶の小瓶の他のレビューをみる» 高楼 方子 クレヨンハウス 高殿方子(たかどのほうこ)さんの子ども時代を書いたエッセイ集。 高殿方子さんは、小学校低学年の頃のムスメが「絶対どれも面白い!」と、完全に信頼しきっていた作家さんです。私も…

ド・レミの子守歌

ド・レミの子守歌 (中公文庫) ド・レミの子守歌 (中公文庫)の他のレビューをみる» 平野 レミ 中央公論新社 私は唱のおかげでずいぶん勉強をした。人間的にもうんと成長したような気がする。あんなにわがままだった私から、わがままがとれて、今まで持ち合わ…

死の泉

面白かった...。 最近またたて続けに『伯林蝋人形館』『薔薇密室』とこれを読んでいたのですが、今まで読んだ皆川作品のなかでも一二を争う面白さかも。本のなかに本があるという形式になっていて、最初はへーおもしろーいくらいで読んでいたのが、だんだん…

かがみの孤城

鏡の向こうに広がるお城と、そこに集められた7人の中学生たち。それぞれ孤独を抱えた彼らが、願いの叶う鍵を探すという目的を超えて、だんだんと仲間のなかに居場所を見つけるようになる。 ファンタジーがあまり得意でない私は、はじめなかなかこの設定が受…

劇場

一読後、はぁ~やっぱりこの人の文章好きだなぁぁー、才能の塊!って、うっとりしまして。 けどひと晩経ってよくよく振り返ってみると、ほんとどーしようもないクズ人間による精神的DVの話ですね...。女の子が良い子すぎるし永くんたら酷すぎるよ...。 永野…

森へ行きましょう

何通りもあったかもしれない、おんなのひとの人生についての物語。 胎児の時代から60代まで、留津とルツの人生が交互にすすんでいくのだけど、さりげなく「るつ」や「流津」も紛れ込んでいて、本当は何通りあったかわからない「ルツ」さんの人生。 どの道を…

ゴッホの耳

なぜゴーギャンがゴッホの恋人だと思い込んでいたのだろう恥ずかしすぎる...。ゴッホの絵はよく知っているのに、あまりにもゴッホのことを知らなかったので、ゴッホのことを知りたいなーと思って手に取った本でした。が、実際に読んでみたら、ゴッホについて…

バッタを倒しにアフリカへ

ついに読みました。 触りすぎてバッタアレルギーになってもなおバッタが好きすぎて、一人前のバッタ博士になるため、単身モーリタニアに乗り込んだバッタ大好きお兄さんの書。ファーブルに憧れていた男の子が、バッタへの情熱ひとつで成り上がっていく一代記…

BUTTER

はー、すっごく面白かったです。こんなに盛りだくさんだとは。 同時に複数の男性を籠絡して、贅沢な暮らしをブログで公開した挙句、男性を殺害して逮捕されている、実在の女性のような人物が登場する。 ついつい、その、実在の女性のことを改めてググってし…

火花

遅ればせながら「火花」観てきました。 んー。原作を読まずに映画を観ていたらきっと良さも味わえたのかもしれませんが。ちょっぴり残念...。 原作が好きです。とっても好きなタイプでした。 又吉さんのことをあまりよく知らなかったけど、お笑いの世界で感…

GOSICKのこと

探偵もの好きな長女に良いかも...と私が大人買いした漫画。(私が欲しかっただけ) もともと原作の「GOSICK」が大好きだったから、漫画になったらどうなんだろう...とちょっぴり不安でしたが、これが原作のイメージ通りでまったく違和感がなく、とっても良か…

編集ども集まれ!

十何年ぶりくらいの藤野さん。 『少年と少女のポルカ』とか、『ルート225』とか、よく読みました。懐かしい。 『編集ども集まれ!』というタイトルは、手塚治虫の『人間ども集まれ!』から。神保町の出版社で漫画の編集に携わっていた藤野さんの実話に近い小…

太宰治の辞書

懐かしい! と思ったら、16年ぶりの新作だったそうです。(2015年当時) 「私」がお母さんになってる...。 私がこのシリーズを読むのも15年ぶりで、ちょっと細かいところは忘れてしまいましたが、好きなシリーズでした。相変わらず淡々とした、静かな優しい…

毒母ですが、なにか

わあ。なんだかものすごい本を読んでしまった...。こわかった...。 色々と突っ込み所はあるのですが、この人どうなっちゃうの...というただ一点で最後まで引っ張られてしまいました。 毒母といってもいろんなパターンがあるけど、娘を自分の虚栄の道具として…

恋シタイヨウ系

雪舟えまさんのことは書ききれない。 とにかく大好き。大好きすぎて、読むのがこわかったりもったいなかったりして、新刊が出るといつも、手に取るのが少し遅くなってしまいます。やっと『恋シタイヨウ系』読了できました。ゆるやかに繋がる、9つの惑星で暮…

息子が殺人犯になった

この悪夢から目を覚ましたい。ディランをもう一度この腕に抱きたい。ずっと前にしていたように抱っこして、膝に載せて、靴を履かせてあげて、パズルをして遊んであげたい。ディランと話したい。そしてあの子があんな恐ろしいことを考える前に止めたい。 コロ…

総統の子ら

戦争について語れる言葉はもたないけど。 気長~に読破を目指している皆川博子さんの。皆川さんの本、色々なジャンルのものを読んできて、どれもとてもリーダビリティが高くてどんどん読めてしまうのですが、この小説は、半分くらいが戦いの描写に費やされて…

ハッピーノート

私はやっぱり悪いお母さんで、どう頑張ってもムスメの理想のお母さんにはなれないから、でも良い本を見つけてきて読んであげることならできるから、というかそれしかできないから。 もういい、と言われた眠る前の読み聞かせを、2年ぶりに再開しました。もう…

八本脚の蝶

今年に入って初めてのエントリです。 行事やらおでかけやら子どもやら猫やら色々ありますが、私はやっぱり本の話がしたいな!と思うのです。 二階堂奥歯さんのことは定期的に、ふとした瞬間に記憶の上のほうに上がってきます。久々に検索してみたら、昨年の…